４月某日。
ミーティングを終えてオフィスを出ると、温かな風が頬を撫でた。先週まで満開だった桜はいつのまにか散っていて、なんだか少し寂しい。
商談に向かうためＡ８に乗り込み、ポケットからスマホを取り出す。目的地の住所を確認しようとしたところで、充電が残りわずかであることに気がついた。一瞬焦ったが、Ａ８にはワイヤレスチャージングがついていることを思い出す。スマホをセンターアームレストのトレー内にある充電器に置く。これだけで充電ができるのだ。

ＭＭＩ（マルチメディアインターフェイス）のタッチディスプレイでナビゲーションを起動、目的地を設定する。上下２つのディスプレイはグラフィックや振動、音を使って、視覚、触覚、聴覚にダイレクトに訴えかけてくれる。スマホと同じで直感的な操作が可能だ。

画面に触れることでナビゲーションマップの縮尺を変えたり、ドラッグ操作でホーム画面のアイコンを並べ替えることもできる。もちろん、車両のセッティングやインフォテイメントもここからできる。ユーザーがストレスなく操作できるよう、あらゆる機能が設計されている。毎日使うものに、妥協はしたくない。最初は我慢できた小さなひっかかりも、日を重ねるうちにやがて無視できなくなるからだ。

大のクルマ好きである商談相手とも、そんな話に花が咲いた。
ちょうどＡ８を買い替えの候補にしているというから、一度試乗してみたらきっとその良さがわかると勧めておいた。
夕空の下、駐車場に戻る。商談の間に部下から何本か連絡が入っていた。
スマホをMMIにつなぎ、スマートフォンインターフェースでメールの中身をチェックする。タッチディスプレイで電話や音楽、特定のアプリなどスマホのコンテンツを大きなディスプレイで操作できるのはとても快適だ。
今日はこのまま直帰するとメールを送り、暮れかけた街並みの中に走り出た。