1月某日。
日課である10キロのランニングを済ませ、シャワーを浴びて家族とともに朝食を摂る。
フォークで目玉焼きと格闘する4歳の娘と、それを介助しながら微笑む妻。いつもと変わらぬ朝の光景が広がる。
新聞にひと通り目を通した後、出社するため外へ出た。玄関脇の車庫に向けてリモコンを押すと、電動シャッターが上がる。
姿を現したのは、先月納車されたばかりのアウディA8だ。
初めてこのクルマを目にした時、その佇まいに一瞬にして心を奪われた。
流れるようなルーフラインが醸し出す上品さ。
特別な輝きを放つアルミニウム製のボディ。
威厳を感じさせる幅広のシングルフレームグリル。
それまで乗ってきたどのクルマとも違う。
その直感は、試乗して確信に変わった。
美しいだけではない。
内に秘めた最新のテクノロジーと安全性は、想像を遥かに超えていた。
起業して7年、ようやく事業が軌道に乗った。
がむしゃらに走ってきた時期を過ぎ、周りの景色を楽しむ余裕が出てきた。
人生をもっと美しく走りたい。
日々の暮らしをより良いものにしたい。
そんな自分にとって、A8はまさにこれ以上ないほどぴったりのクルマだった。
運転席に乗り込むと、自然に気持ちが弾む。
今日もいい一日になる。
そんな予感とともに、ゆっくりとアクセルを踏み込んだ。